ネット悲観主義 VS 楽観主義。「ウェブ人間論」
ウェブ進化論で一世を風靡した梅田望夫氏と、芥川賞作家の平野啓一郎氏の対談本。
8時間×2回の、合計16時間におよぶマラソン対談ということで、あるテーマについて、それだけの時間ずっと話続けていられる2人の知識と教養と体力がすごい…!
おまけにこの対談、なんとなく険悪にも感じるようなシーンが多々ある。ネットのネガティブな側面を見てどちらかというと悲観的な平野氏に対して、ポジティブで楽観主義的な梅田氏。基本的には、平野氏が「ネットのこういうところがよくないのでは?」と質問し、それに梅田氏が「まあ大丈夫ですよ」と答え、さらに平野氏が「いやでも…」と食い下がる、そんな問答が様々な切り口で繰り返される印象。
ネットのある事象を2つの異なる視点で見たとき、それぞれがどういう考え方になるのか、その違いが面白くはあったが、対談によって何かシナジーが生み出され、読者を思いも寄らない視座へ導くというような事がなかったのは、少し残念。
この本、出版されたのが2006年で今から14年前。出てくるキーワードが、ミクシィやはてな(このブログを運営している会社!)で隔世の感があったなあ。って書くとはてなに失礼か。