価値観が凝り固まった大人こそ見るべし。「びりっかすの神さま」
Amazonの絶賛レビューを見て購入した児童書。娘に「パパも読んで!」と言われ、しぶしぶ読み始めたところ、これがなかなか面白い!
小学校に転校してきた男の子が、翼の生えたサラリーマン風の生き物を目撃してコミュニケーションし始める冒頭からぐいぐい引き込まれ、あっという間に読了。
成績順に席を決めるイヤ~な感じの担任先生が追い込まれていく展開に「自業自得やね」と、なかば溜飲の下がる思いで読んだが、娘の感想は「先生がかわいそう」。なるほど、そういう見方もあるのか。
多様な価値観を登場人物たちに語らせることで、読み手である小学生にもしっかり自分の頭で「何がよくて何がよくないことなのか」を考えさせる構成がすごい。わかりやすい勧善懲悪や説教くさい教訓の押しつけになっていない。だからこそ、娘の感想のように、読み手によってそれぞれ違った見方ができるんだろうな。
先生をあっさり自業自得と断じた自分の頭が、すでにステレオタイプな価値観に凝り固まっているのかも知れない。。